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魚を2匹、ペットショップから買った。青いのと、黒いの。
そのまますぎるかもしれないが、“アオ”と“クロ”と名付けた。
本当は、青いのを2匹買うつもりだったが、この2匹があまりにも仲がよさそうなのを見て、飼ってみたい衝動に駆られたのだった。
家に2匹を連れ帰って一日目。
ペットショップで見たとおり、2匹の仲は睦ましかった。
常に近くにいて、向き合いながらぐるぐると泳ぎ回っていた。
最近疲れていたので、癒された気がした。
水槽が日の光を受けてキラキラと光った、反射光で部屋の中もいつもより明るい。
珍しくすがすがしい気分で、私は会社へと出かけた。
私は一人暮らしだ。広告会社で働いている。新人だということもあり、雑用や煩雑な仕事が多くひどく疲れる毎日だ。親元を離れて随分経つ、特に寂しいとは思わないが、やっぱり誰かにいてほしいと思うのが人情というものである。
家にいることがあまりないので、あまり手間のかからない魚がいいなと思った。
会社から帰り、真っ暗な部屋で水槽が街からの光を受けて揺らめいていた。
そして2匹は相変わらず仲良しであった。
ああ、やっぱり魚にして正解だったなと思った。
二日目
寝坊をした。急いで支度して、出かけた。
鍵をかける前に、ちらりと水槽に目をやると、一匹がやたらと水面近くにいるような気がして、一抹の不安が横切ったが、あまり気にとめるひまはなかった。
結局会社には遅刻した。くたくたになって、痛む頭をかかえて家に帰ると。
クロが仰向けで水面に浮いていた。
ショックと疲れで頭痛がひどくなった。まさか飼って二日目で死ぬとは思ってもみなかった。
残されたアオにたいして心の中で申し訳なく思いつつ、クロの葬式は明日の朝に回そうと思った。
明日は日曜だし、今日はあまりにも疲れた。
朝になって、なぜか6時という日曜にはあまり縁のない時間に目覚めた。
クロの葬式やらなきゃ、と思いながら、水槽を見ると、驚いたことに、そこには一匹しか魚の形をしたものがいなかった。
黒いラインの入った銀色の魚はどこにもいない。半分青色の魚が一匹、底のほうで泳いているだけだった。
まさか、と思いながらも水槽をあっちこっちから覗いても、青い魚以外何もいない。
ここはマンションの6階で、私は窓を開けていなかった。
食べてしまったのだろうか、餌はちゃんとやっていたつもりだけどな。
水槽を眺めながら、私は2度寝することに決めた。
起きたのは午後2時だった。随分と長い2度寝となってしまった。携帯を見ると、ショッピングのお誘いが来ていた。大学の友人からだったので、快くおしゃれして出かけることにした。
家に帰り、荷物を置いて、もう一匹飼うべきだろうか、と思う一方で、まあいいかとも思った。
それから、アオだけがずっと生き続けた。私は魚を増やすこともなくアオを一匹のままにしておいた。かわいそうかな、と思いながらも、なぜか魚を新しく飼う気にはなれなかった。
時間が経ち、私は結婚しようとしていた。相手は大学の先輩で、細長い人だ。
家に来たとき、魚が一匹であることをつっこまれたが、私は曖昧に笑ってめんどいから、と告げただけだった。
実際のところ、本当にめんどくさかったのかもしれない。
引っ越すことになった。
「アオ連れてってもいい?」私は聞いた。
「ああ、ただ、もっと増やそう。一匹はさびしすぎる。」
「そうだね、増やす魚はあなたが選んでいいよ。」
「そうか、じゃあ明るい色なのを選んでおくよ。」
綺麗な水槽になるだろう、と私は思った。同時にやっぱり今まで一匹にすべきじゃなかったかなと思い、アオに申し訳なくなった。
引っ越す前の夜だった。
夢の中で、魚とも人とも説明の仕様がない生き物が現れた。
鰓があって、大きな黒い目、白い髪の毛をしていて、私より身長が高くて、ドレスを着ていた。
そのドレスは青にきらめいていた、皮膚はなにやら粘膜のようなもので覆われていた。
ああ、アオだなと私は思った。
アオの後ろにすっと、黒い影が見えた。
男のようだ、白い髪に白い肌、ただ全身真っ黒は服をまとっていた。
クロだな、と私は瞬時に認識した。
「どうしたの?」気づいたら私は聞いていた。
「・・・」
「アオにクロでしょ、それよりクロ、ひさしぶりね。死なせてごめん。」
「あなたのせいじゃないわ。」アオがいった。少し高い声で、よく通る声だった。
「私が殺したのよ。」彼女は前を見据えながらいった。
「そう、でもなんで?仲よさそうだったけど。」
「彼が大好きだったからよ。」
「理由になってないわ。」
「なってるわ、大好きだから食べたくなるの。」
「魚ってゆがんでるのね。」
食べたので正解だったのか、と私は思った。
「今日はあなたにお礼を言いにきたの。」
「お礼?私はむしろ文句をいわれるのかと思った。あなたを3年ぐらい一人にさせてしまったわけだし。」
「それでよかったのよ、ほかの魚がきてたら暴れてたわ、私。」
「・・・そう。」
今まで飼ってたとはいえ、えらいものを飼ってしまったと思った。
「私が言いたいのはね、私も明日で肉体がなくなるってことなの。お世話になったわね。」
「アオも死ぬの?」
「ほかの魚が来るからいいでしょ、言ったでしょ、もうほかの魚となんて暮らせないわ、私。」
「・・・ペットショップのときはどうしてたのさ。」
「・・・こんな考えを持ったのはあなたが私たち2人だけを家につれて帰ってからだよ。2人になったのがうれしすぎてつい食べちゃった・・・。あ、でもクロは了承済みだったわ。」
「まさか、本当に?」
「まあ、アオになら食べられてもいいかなと思ってしまったんだ。」低めの鼻にかかったような声がいった。クロだ。
「で、君に感謝したいのは、僕達を2匹まとめて買ってくれたことと、あの朝僕を水槽から出さなかったこと。」
「感謝されてこんな微妙な気分になったのは初めてよ。」
「ははっ、まあそういうな。ありがとう。リサさん。」
「ありがとう。」アオも続けて言う。
「どういたしましてー。私の名前知ってたのね。」
「そりゃ、主人だしね。」
そうか、3年間一緒にいたもんな、と思いながら、いまさらながら寂しくなった。
「じゃあな、短い付き合いだったけど、旦那さんと元気で。」
「じゃねー」
「バイバイ、お幸せにー」
「あ、明日骨拾いよろしく!」
「うん。きれいな場所に埋めておくよ。」
朝目が覚めて、水槽を見たら。魚の死骸が2つ浮いていた。一匹は骨だけだった。
骨はいったまんま生きてたのか、アオ。
日当たりのよい、金木犀の木の下に埋めた。
「末永く、幸せに。」手を合わせながら、私は言った。
その後、彼が来た。
「支度はできたか。ん、アオはどうした?」
「今朝しんちゃった・・。」
「そうか、せっかく同じ種類の魚買っておいたんだけどな・・」
「ありがとう、考えてくれただけで嬉しい。あそこに墓作ったんだ。」
ベランダから金木犀の木を指す。小さな石が2個並んでるのがかろうじで見える。
「何で2個なんだ、へんな形の墓作ったな。」
「さぁ、何ででしょう。」
「なんだよ・・・」
「ふふっ」
アオがクロを愛するように、私がこの人を愛することはきっとないな、と思いながら。
彼と一緒に遅めの朝ごはんを食べた。
創作時間1時間・・・みじか・・・
私が文書を書くとなぜいつもこうゆがんでるんだ・・・
私は椅子に座っていた、それだけであった。
何も特別なことはしていない。
外には太陽が輝き、子供たちのはしゃぎ声が聞こえる。
私から、外の“事象”へ影響を与えることはない。
だが、“事象”はそこにいる。あらゆるところにいるのであった。
天井に沿って、椅子の下にまとわりついて、それは白い線としてそこに“いた”。
ただ存在していた。誰も気づかないが、それはいるのだ。
存在を主張することはなく、気づいてもらう努力をすることはない。
それは人間の微笑みのようなものであり、涙のようなものであった。
神秘的であるが、ごく当たり前に実存しているだけだ。
ただ不幸なことに、私はそれの実存に気づいたのであった。
瞬間に、それは黒く、膨れ上がり、腐敗臭を発するようになった。
私はまるで巨大な生き物の腹の中にいる気分になった。
消化しかけた肉が悪臭を放ち、肉壁には赤い筋が浮き出し、鼓動していた。
そこらじゅうに臭いが充満していた。
私は逃げ出したいと思ったが、それらは執拗に私にまとわりついた。
酷い吐き気が私を襲った、その吐き気も実存しているだけのものであった。
突然現れたわけではない、それは常に、私と一緒にいたものであった。
耐えられない、と私は思った。けれども、どうすることもできなかった。
“おばあちゃん、なぜそんなに腕が太いの?”
“おまえを力いっぱい抱きしめるためだよ。”
“なぜそんなに目が大きいの?”
“おまえをよく見るためだよ。”
“なぜそんなにお耳が大きいの?”
“お前の声をよく聞くためだよ。”
“おばあちゃん、なぜ、そんなにお口が大きいの?”
“なぜそれ以上聞くんだい?
結果は見えてるのに”
ありっだけの声でさけんだ。
女の子が驚いて振り返る。
「えっと・・なにか?」
「はぁはぁ・・・ゲホッ・・・っ あの、もしかして誰か待ってますか・・?」
あの子だよね、そうであって!
「あ、はい・・一応・・」
「その人まだ来てないんですか?」
われながらどんな質問だ・・めちゃ困ってる・・
「・・・・はい・・もう8年間まってるんですけど・・・これって完璧もう忘れられちゃってますよね、はは
いつか唐突に思い出してくれないかなとか変な期待してたんですけど、今日で最後にしようと思って・・。
でも8年前のお礼ちゃんとしたかったなぁ・・事情よくわからないですよね、つまりあの、とにかく・・」
「・・・・ごめんなさい!!」
「へっ・・?」
「8年前、ここでチョコレート落とした女の子にそれっぽいココアあげて、無責任な約束して子供の信頼踏みにじった大ばか者です。」
「・・・・」
「本当にごめんなさい、すっかり忘れてしまってで。」
「・・・・・・あの時はありがとうございました。チョコレートココアすごくおいしかったです!
これ、受け取ってください。」
にこっと笑って、そういって差し出された小さな箱。
中には、花びらの形したチョコ・・・あの時こぼしたやつだ。
「・・・受け取れない、だってずっとわすれてたんだよ!
いくらあやまっても気がすまないぐらいなのに!」
「・・・うん~、でもあのときチョコレートココアもらったことは確かなんですよ?それのお礼です!」
「だけど・・・「いいからもらってください、今あなたがもらってくれなかったら何のために毎年のこの日に待ってたんですか、本当に申し訳ないと思っているのならもらってください。」
「・・・じゃぁ・・ありがたく頂戴させて頂きます・・・ありがとう」
一つ口に放り込む。
おいしい・・・ココアっぽい味がする・・
またあの花びら見えそう・・でももう見る必要ないよね。
「どうですか?」
「おいしい、すっごいおいしい・・・」
「よかったです、あの時のココアの味まねしようとしたんですけど、
味までは覚えてないから・・・適当・・。
あれからどこにも売っているところ見たことないんですよ、チョコレートココア。
また飲みたいな・・。」
「えっ、今日売ってたよ、ほらコレ!!チョコレートココア。
あの時とは違うものだろうけど・・・」
「どこで買ったんですかそれ!!あのときのまんまだ・・。」
「うそ・・・ぜんぜん覚えてない・・」
「本当にきれいさっぱり忘れていたんですね・・・約束。」
「・・・・・・ごめんなさい・・・・」
「じゃあ、それください。」
「飲みかけだよ・・・。」
「・・・気にしませんよ。
今飲まなきゃもう絶対に後悔するような気がするんです。
今コンビニ行ってもなくなってますよ、きっと。」
「・・・そうか・・・そうかもね。
なんかそんな気がしてきた。」
「きっとそうですよ。
もらいますね、チョコレートココア。」
「うん。」
明日コンビニ行こう・・・
それから、あの子は帰った。
またどこかで会えたらいいなと思う。
ほんのりチョコの余香がして。
あのチョコレートココアにありっだけの気持ちをこめて“ありがとう”っとそっと言った。
・・・・なんでオチ考えてから書かなかったんだろう私・・・
かなり苦労した。
チョコレートココアこれでおわりでぇす~ホワイトデー前にアップしたかったということは内緒・・・・
それから・・・何があったのかはわからない。
チョコの匂いが消え、花びらも消えた。
そして、気づいたときに、私は、もうあの見慣れた教室にはいなかった。
ここはどこだろう。
見たことがあるのかもしれない。
だがはっきりとはわからない。
必死に思い出そうとしたが、わからない。
でもほほをつねる必要はない。
これは夢じゃない。
なぜだが、私にはその確信があった。
歩いてみよう、教室に戻らなくてはならない・・・
連なる住宅地
小学校
(不思議なことに名前だけはぼやけて見えない!)
交番に商店街
どこにでもあるような集合住宅だとおもう。
誰もいないことを除いては。
それにしても・・・寒い・・・
上着教室におきっぱだよ私!!
景色は変わっても季節は変わらないのね、
どうせなら暖かくしてくれればいいのに!
しばらく歩いたら、小さな公園を通り過ぎた。
花びらがまた舞う。
においも強くなった。
何かあるのかな?
公園に入って、ブランコがあった。
女の子が1人座っていた。
なんかこの状況だとこの子が幽霊とかそういう系なのかな・・・
怨まれるようなことしたかしら?
どうしょう・・・
でもこれ声かけなきゃ一生もどれなさそうだな。
近づいてみた。
あ・・・泣いてる・・・。
何だろう、花びらがばら撒いてある。
ううん、花びらじゃない、チョコか・・・。
ひざすりむいちゃってるし・・・転んだのかな。
「どうし『どうしたの??』
え?
もう1人女の子が近づいてくる。
あの子は・・・
『ちょこれーとおとしちゃったの。』
『そう・・・』
しばらくの沈黙のあと、後から来た女の子はビニール袋を差し出した。
『あげるよ、チョコレートよりおいしいよ。』
『ほんとう?』
『うん、チョコレートココアっていうんだ。飲んでみて。』
・・・・・
『ほんとうだ、おいしい。』
『よかった、それあげるから、泣きやんで。』
『うん!
でも、おねーちゃんのは??』
『いいよ、まだ買ってもらうもん。』
『ありがとう!!』
『どういたしまして。』
『・・・おねーちゃん!!』
『?』
『あのね・・・・
ここまでぼうっとみて、はっとした・・・そうか。
そういえば・・
その時、女の子たちは花びらとなって消えた。
景色も一緒に消えた。
チョコのにおいが一層強くなって、やがて消えた。
気づいたときには、私は元の教室にいた。
ああ・・・・思い出した。
と思った瞬間にさっと時計を見た。
6時50分
急がないと!!
飲みかけのチョコレートココアだけつかんで急いで席を立ち、全速力で走った。
クラスメイトがすごい顔してこっち見てきたがこの際どうでもいい。
あの後あの子はこう言ったんだっけ。
「おねーちゃんにあげたいものがあるの。またここにきてくれる??」
で・・・もう1人、ていうか私、「いいよ、一ヵ月後に来るね。」とか笑顔でほざいたな。
おまえその時引越しの途中だっただろうが。
で、その夜にあの住宅地を去って・・・・
すっかり約束忘れたまま今に至ると・・・・
最低だなおい。
とにかく急がなきゃ!!
あの子が帰ってしまう!!
今日があの日だ。
約束した一ヵ月後の日。
7年、いや8年??
経ってるけど・・・・
まだ待っていてくれてるなんてバカけてるけど。
とにかく行かなきゃ。
あの時引っ越したとはいえ、あの住宅地から電車10分ぐらい離れた場所にマンション買ったからそっちに荷物移しただけみたいな感じだったな・・・
あの公園は、ありがたいことに塾の近くだ。
間に合う。ぜったいに会わなきゃ。
見えた!!
あの子は・・・
1人の女の子がブランコから立とうとしてる・・・
まちがいない!
「待って!!」
まだ続けさせて・・・ごめんなさい。
今すごく眠い・・・のんのんしてたら冬がおわちゃったよ(滅
メトロを降り、ホームに出た時、初めて朝の天気予報で夕方に雨が降るといってたことを思い出した。
空はねずみ色で、コンクリートで固められた道路が水玉模様になっていた。
夜にはやむのだろうか、傘ないんだけどな・・
そう思いながら、駅から1分もかからない塾に向かってできるだけ遅くあるいた。
けど、どんなに遅く歩いたところで大して変わるものではない。あっという間に今週の予定がでかでかと張ってあるドアの前まで来てしまった。
今日は・・・・教室変更で、いつも2階でやるはずの数学の授業が2号館の6階になったらしい。
本館から2号館まで少し距離があって、途中にコンビニがある。
携帯の時計を見てみると、4時56分らしい。
授業は7時からだ。
いつもなら 6時まで自習して、それからよるごはんを買いにコンビニに行くのだが、2号館となると今買ってしまった方がいいのかもしれない。
階段使用禁止の2号館は1台の6人乗りエレベータでしか上り下りができない、しかも6時は小学生がいっぱいで、結構待たなければいけない上にぎゅうぎゅうづめだ。
教室はあったかいから、お腹がすくまでに飲み物がぬるくなるが、小学生とおしくら饅頭のほうがいやだし・・・買ってしまおうか、と思ってがらがらのコンビニに入った。
自動ドアが開いた瞬間、花びらがらしくないにおいを撒き散らしながら散っていったような気がした。
茶色の花びらだった、何の花だろうか。
何のにおいだろうか、嗅いたことのあるにおいだ。
一瞬立ち止まってから紙パックの飲み物がある冷蔵庫に向かってまっすぐ歩いた。
紙パックの飲み物はいろんな種類があって好きだ、値段も安いし、季節によって新商品もどんどん出る。
なにか新しいものは出ているのだろうか。
またあのにおいだ、甘ったるいにおいだなと思う。
ふらりと視界の端に茶色いパッケージが入った。
下に黄色いふたがあって新商品と書かれてある。
“チョコレートココア”
まずそうだな・・・ただでさえ甘いものを二つあわせておいしいのか、と思う。
三度、あのにおいがした。今度は花びらも一緒に大量に舞った。
買おうかな・・・なんでその気になったのかわからないけど。
それと一緒に卵サンドイッチも買っておいた。
“合計329円になります。 ありがとうございました。”
まもなくして塾につき、まだ人はまばらだった。
“やっほ~おはよ~”
“やっほ~いまごろおはよですか(笑”
友達に挨拶して、端の席についた。
ふくろごしにまたあの茶色の紙パックが目にはいり、机と向き合う前に一口飲んでみようと思った。
口をちょっとあけただけで、あの甘ったるいにおいがにおってきて、
あとからほんのり苦いにおいも漂ってきた。
ああ、あれはチョコレートのにおいだったのか。
ストローを差し込んで、一口飲んでみると。
予想通りの甘さだった。
でも、後味はにおいと同じようにほんのり苦くて、これはこれでいけるのではないかと思う。
・・・好きかも、これ。
ふわり、花びらがまた舞った。
つづくのか?これ